東京都監査委員は、本日の平成14年第二回都議会定例会に、「平成13年度財政援助団体等監査報告書」を提出しました。
「平成13年度財政援助団体等監査報告書」全文へ地方自治法第199条第7項の規定に基づき、253団体に対し、監査を実施しました。
都が、補助金・交付金等を交付している団体 233団体
資本金等の4分の1以上を出資している法人 20団体
監査の結果34件を指摘し、団体の経営などに対して10件の意見・要望事項を付しています。
補助金交付団体に付した指摘事項及び意見要望事項の内容は、次のとおりです。
指摘の概要 | 指摘件数 |
---|---|
補助金の返還を求めたもの 【返還を求めた金額 約697万円】 |
6 |
補助金で整備した施設の利用等が不適切なもの | 7 |
団体の会計処理に適切を欠くとしたもの | 2 |
その他 | 3 |
指摘計 | 18 |
意見の概要 | 意見件数 |
要綱の見直しを検討すべきもの | 2 |
授業料軽減補助の廃止を含む見直しを検討すべきもの | 1 |
意見計 | 3 |
合計 | 21 |
主な指摘事例
ア 補助金の返還を求めたもの
都内生就学補助に係る都内在学生徒の算定を適正に行うべきもの
局は、私立高等学校への都内生徒の就学促進を図るため、都内在住の1年生の生徒数に応じ、都内生就学補助金を交付することとしており、補助額は保護者(親権者)等の住所により決定されているが、都内在住生徒数を調査したところ、9学校法人において、誤って都外に保護者の住所がある生徒を含め申請したことにより、448万円が過大に交付されている。
9学校法人 報告書本文 P.44イ 補助金で整備した施設の利用が不適切なもの
在宅介護支援センターに対する整備費補助について適切な処置を行うべきもの
局は、社会福祉法人の整備した施設に対し、老人福祉施設等施設整備費及び設備整備費補助要綱に基づく補助金を交付しているが、このうち、施設整備費として補助金の交付を受けた在宅介護支援センターについて、事業を開始していないことから、早期に適切な処置を行われたい。
社会福祉法人創生、福祉局 報告書本文 P.82主な意見・要望事項
ア 授業料軽減補助の廃止を含む見直しを検討すべきもの
局は、私立高等学校等特別奨学金補助を受けた生徒の在籍する学校を対象に授業料軽減補助を実施している。この奨学金補助と軽減補助の関係について見ると、軽減補助の意義・役割は明確にされておらず、
(1)奨励補助とした場合、奨学金補助制度はほぼ全高等学校に定着(平成12年度は100%)していること
(2)事業補助とした場合、1校当たりの交付額は少額であることなど、軽減補助が授業料軽減のために有効に機能しているとはいえない状況となっていることから、授業料軽減補助の廃止を含む見直しを検討されたい。
出資団体に付した意見・要望事項及び指摘事項の内容は、次のとおりです。
意見の概要 | 意見件数 |
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会社経営全般に関すること | 5 |
一部事業運営に関すること | 2 |
意見計 | 7 |
指摘の概要 | 指摘件数 |
会計処理に適切を欠くとしたもの | 7 |
委託契約事務に適切を欠くとしたもの | 3 |
工事設計に適切を欠くとしたもの | 3 |
その他 | 3 |
指摘計 | 16 |
合計 | 23 |
主な意見・要望事項
ア 会社経営全般に関すること
会社の経営状況について
会社は、当期利益を計上し当期未処分利益は4億余円となっているが、借入金は34億余円で、債務超過となっている子会社に対し債務保証や無利子貸付を行っていることから子会社の経営状況が会社の経営をおびやかすものとなっている。
会社は子会社を含めた「3ヵ年中期経営計画」を策定し累積欠損の一掃と有利子負債の半減を掲げているが、未だ借入金は多額なものとなっていることから、子会社を含めた会社経営の健全化に努められたい。
イ 一部事業運営に関すること
空き家の解消に努めるべきもの
公社が管理している借上都民住宅の平成12年度における管理事業損益は、3億5,258万余円の損失を計上している。借上都民住宅において損失額が生じる要因は、家賃が市場家賃に比較して高額のまま据え置かれ、空き家が生じていること、また、空き家が生じても管理戸数の家賃相当額を借上料として、公社が土地所有者等に負担する仕組みになっていることによるものである。 空き家による減収が長期に渡って損失を生じさせることから、公社は、実効性のある家賃設定について土地所有者等との協議を積極的に行うとともに、入居を促進するための各種方策を検討し、空き家の解消に努められたい。
東京都住宅供給公社 報告書本文 P.316主な指摘事例
ア 会計処理に適切を欠くとしたもの
会計処理を適正に行うべきもの
会社は、第一期導入車両の定期検査を平成10年度から平成11年度に実施したことから、その委託費用は実施年度の費用として会計処理すべきであるにもかかわらず、支出費の属する平成12年度に発生した費用として会計処理しているのは適正ではない。
イ 委託契約事務に適切を欠くとしたもの
委託料の支払いを適切に行うべきもの
局は、海上公園管理委託、臨海副都心共同溝の管理業務に関する委託などをテレポートセンターと契約を締結し、委託料を四半期ごとに、概算払いにより支出しているが、会社における執行状況は、概算受額に対し執行額が少なく、執行残額が多額となっていることから、事業に見合った支払いを適切に行うべきである。
港湾局 報告書本文 P.244