平成24年監査結果に基づき知事等が講じた措置(第2回)

監査委員は、本日の第四回都議会定例会に「平成24年監査結果に基づき知事等が講じた措置(第2回)」を報告しました。

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(1)概要

監査委員は、これまでに行った指摘、意見・要望について、知事等執行機関が実施した改善内容の通知を受け、年2回、公表している。

(2)改善状況

今回は、104件の改善通知を受け、対象となる監査において指摘等をした677件のうち、548件(80.9%)が改善済みとなった。

今回の改善状況

措置対象 改善済み 改善中
前回まで 今回通知
A B C D=B+C A-D
677件 444件 104件 548件 129件

措置の対象となった監査

監査種別
平成21年 定例監査
平成22年 定例監査、行政監査、財政援助団体等監査、決算審査
平成23年 定例監査、工事監査、財政援助団体等監査、決算審査
平成24年 定例監査

(注)決算審査については年度

(3)措置内容の例

収入管理システムのデータを正確に保持するようシステムを改善したもの

平成22年行政監査 No.6(P.20)

指摘の概要

建設局では、霊園管理料の調定、収入、未収管理などを、霊園管理システムを用いて行っているが、このシステムは、次のとおり、データの正確性を担保できない。

  1. 霊園管理システムは、収入金額など、データベースのデータを変更すると上書きされ、変更前のデータや更新履歴が保存されない仕様となっている。
  2. 複数の組織がシステムを利用しているが、組織ごとに共有のID、パスワードを使用しているため、データを変更した利用者を特定できない。
  3. 操作担当の職員がシステムログにアクセスできるため、システムログを改ざん可能な状況となっている。

このため、システムの再構築に当たっては、これらの問題点を改善するよう求めていた。

措置の概要

局は、霊園管理料の収入管理に係るデータを正確かつ適正に保持するため、平成23年度に霊園管理システムを次のとおり設計した。

  1. 収納や交渉履歴などの処理区分ごとに期間を定め、更新履歴を保持するシステムとした。
  2. 利用者ごとにIDとパスワードの設定を行えるようにした。
  3. 管理者のみがシステムログにアクセスできるものとした。

公平かつ効果的・効率的となるよう滞納整理事務を見直したもの

平成22年行政監査 No.8(P.22)

措置の概要

建設局では、公共事業の施行に伴い移転が必要となった者に対し、生活再建のための資金を貸し付けており、貸付金の滞納整理事務を債権回収業者に委託して行っている。
しかし、委託契約の内容を見ると、債権回収業者に公平かつ効果的・効率的な滞納整理事務を行わせていなかった。

  1. 委託の仕様書では、文書による催告を画一的に行うことを定めているが、電話、現地訪問などを組み合わせ滞納者の状況に応じた効果的な催告を行うこととしていない。
  2. 現地調査を行う基準、現地調査の結果の報告内容などを定めていないため、必要な現地調査を行われているかわからない。
  3. 滞納債権を困難度で区分し、困難度に応じた債権回収報酬を設定していないなどのために、困難案件の滞納整理が未着手となりやすい状況となっている。
  4. 委託実績は、処理件数の報告が主となっており、滞納者ごとの交渉経過を記録したものとなっていないため、適時適切に滞納整理事務を行ったか確認できない。

措置の概要

債権回収業者に公平かつ効果的・効率的な滞納整理事務を行わせるよう、次のとおり、契約内容を変更した。

  1. 文書による催告によっても弁済がない者については、電話催告を行わせ、電話催告によっても弁済がないものについて、現地訪問を行うなど、適宜適切な手段を組み合わせて催告を行うこととした。
  2. 現地調査を行う基準、調査事項を明記した。
  3. 未着手案件が発生しないよう、①の方法で確実に全債務者に対する催告をさせることとした。
  4. 報告内容を定め、全滞納者について、個別の報告書を作成させ、回収方針について定期的に協議することとした。

PFI事業において事業実態と合致していなかった業務別仕様書を改訂したもの

平成24年定例監査 No.60(P.50)

指摘の概要

病院経営本部は、松沢病院の運営に当たり、PFI手法を導入している。PFI手法による病院運営は、本部が医事業務や建物管理などの医療周辺業務についてサービス水準を示して、具体的な運営方法を事業者に委ねて業務の最適化を図るものである。事業者は、具体的な運営方法を業務別仕様書及び業務マニュアルとして定め、本部の確認を受けることとなっている。しかし、

  1. 医事業務に係る業務別仕様書及び業務マニュアルを事業者が本部に提出しているにも係らず、内容の確認を行っていない
  2. 未収金管理業務について、業務別仕様書・業務マニュアルと、本部の定める要領・病院が求める事業実態と合致していない
    ことから、業務別仕様書・業務マニュアルが業務の履行確認等に必要な内容となっていなかった。

措置の概要

本部は、PFI事業者と協議し、要領や事業実態と合致するよう、業務別仕様書・業務マニュアルを改訂した。

業務の委託化の際に委託マニュアルに記載しなかった業務について明記したもの

平成24年定例監査 No.87(P.66)

指摘の概要

水道局の各支所では給水装置工事を担当しているが、集合住宅など同一箇所に複数の給水管が所在する場合、メータ取り付け時にメータの設置場所を取り違えるなどにより、水道使用者とその使用水量を示すメータの関係が交錯して、互いに他の使用者の水量により水道料金が請求される状況となることがある。これをメータクロスという。 メータクロスが発生した場合、水道使用者の信頼を損ねることはもとより、各営業所は料金の還付や徴収に多大な人・時間を要することになる。
そこで、水道局では、平成18年から、メータクロス判明時に営業所と支所が協働して対処するため、メータクロス連絡票を作成し情報の共有化を図ることとしている。
しかし、

  1. 経年とともに、メータクロス連絡票による情報の共有化の事務処理が周知されていない状況となり、大田営業所で4件、品川営業所で1件、墨田営業所で1件のメータクロスが判明しているにもかかわらず、メータクロス連絡票を作成していなかった。
  2. 支所の給水業務の一部を東京水道サービス株式会社に委託した際に、給水装置業務委託マニュアルにおいて処理フロー、連絡票の様式等具体的な処理方法について記載せず、取扱いが不明確となった。 措置の概要
  1. メータクロス判明時の処理について、営業所に対し、再度、周知徹底を図った。
  2. 給水装置業務委託マニュアルにメータクロス連絡票の取扱いを明記した。

請求していなかった契約保証金の請求を行ったもの

平成24年定例監査 No.48(P.44)

指摘の概要

東京都契約事務規則では、工事請負契約の締結に当たり、契約金額の100分の10を契約保証金として請負者から徴収し、履行を担保することとしている。
第一区画整理事務所は、盛土材管理工事(単価契約)を締結していたが、請負者は保険会社と履行保証保険契約を締結したため、契約保証金を徴していなかった。
請負者は、契約期間中に経営不振を理由として契約を解除したことから、所は履行保証保険契約の保険金600万円を請求すべきところ、これをしていなかった。

措置の概要

保険会社に対して保険金600万円を請求し、収入した。

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