平成19年各会計定例監査(平成18年度財務諸表監査)報告書

監査委員は、本日の第三回都議会定例会に「平成19年各会計定例監査(平成18年度財務諸表監査)報告書」を提出しました。 今回の監査は、今年度に初めて作成された「東京都財務諸表」を対象に、定例監査の一環として行ったものです。

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監査の概要

平成19年各会計定例監査の一環として、東京都財務諸表(貸借対照表、行政コスト計算書、キャッシュ・フロー計算書、正味財産変動計算書及び附属明細書)が、東京都会計基準に準拠しているかを検証することを目的として実施しました。

なお、新たな公会計制度により初めて作成される財務諸表を対象とするため、開始残高の信頼性、期中の会計処理の正確性を検証することを目的とした監査(期中監査)を行いました。

【監査対象会計及び局】

一般会計及び17特別会計を対象に監査を行いました

会 計 名

局 名

東京都一般会計

知事本局、青少年・治安対策本部、東京オリンピック招致本部、総務局、財務局、主税局、生活文化スポーツ局、都市整備局、環境局、福祉保健局、病院経営本部、産業労働局、建設局、港湾局、東京消防庁、会計管理局、教育庁、警視庁、選挙管理委員会事務局、人事委員会事務局、監査事務局、労働委員会事務局、収用委員会事務局、議会局
(計24局)

東京都特別会計(17会計)

特別区財政調整会計 総務局
地方消費税清算会計 主税局
小笠原諸島生活再建資金会計 総務局
母子福祉貸付資金会計
心身障害者扶養年金会計
福祉保健局
中小企業設備導入等資金会計
農業改良資金助成会計
林業・木材産業改善資金助成会計
沿岸漁業改善資金助成会計
産業労働局
と場会計 中央卸売市場
都営住宅等事業会計
都営住宅等保証金会計
都市開発資金会計
都市整備局
用地会計
公債費会計
財務局
多摩ニュータウン事業会計
臨海都市基盤整備事業会計
都市整備局

監査の結果 1 総括意見(抜粋)

監査の対象とした財務諸表は、別項意見「2 東京都会計基準に照らし改善が必要である事項」を除き、東京都会計基準に概ね準拠して作成されているものと認められました。

一方、今後の課題として、財務諸表作成に必要な内部統制の整備や、東京都会計基準のさらなる改善など、新たな公会計制度の発展のために今後の検討が望まれる事項が認められたことから、監査の結果として別項意見を付しました。

2 東京都会計基準に照らし改善が必要である事項<主な事例>(要旨)

1 会計処理(資産計上について)(本文p.4)

区市町村への移管を前提に実施している工事の経費について、支出時に固定資産に計上しているものと、費用として処理しているものとがあり、会計処理が統一されていない。

2 固定資産の計上額(本文p.4)

開始残高に計上された土地、建物等について、面積の増減等に伴う取得価額の更正が適切に行われていない事例が認められたことから、各局に修正を依頼するとともに、再点検を行うよう求めた。

3 今後の検討が望まれる事項<主な事例>(要旨)

1 固定資産の計上に係る事務処理のあり方(本文p.6)

固定資産は、財務会計システムと財産情報システムで処理しているが、決算整理手続で両システムの財産残高を突合したところ、多数の不一致があったため、照合作業に多大な労力を要することとなった。

このため、事務処理体制の整備に向けた指針とあわせて、入力情報の照合が容易に行えるよう、システム運用の改善について速やかな検討が望まれる。

2 回収可能性を考慮した貸倒引当金等の計上(本文p.7)

会計基準では、収入未済を対象とする不納欠損引当金と、貸付金を対象とする貸倒引当金を計上することとしているが、長期滞納債権について債務者の債務返済能力に着目した算定を行っていない。 このため、引当金の計上に当たり、債権の実質的価値がより的確に示される方法について、今後の課題として検討が望まれる。

このため、事務処理体制の整備に向けた指針とあわせて、入力情報の照合が容易に行えるよう、システム運用の改善について速やかな検討が望まれる。

3 財務諸表の表示について(本文p.8)

都民に内容をわかりやすく示すため、行政コスト計算書及び貸借対照表の科目名や、全体の注記について、今後の検討が望まれる。

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