平成15年度監査結果に基づき知事等が講じた措置(第2回)
監査委員は、本日の第四回都議会定例会に「平成15年度監査結果に基づき知事等が講じた措置(第2回)」を報告しました。
(1)概要
監査結果に基づき知事等が講じた措置は、監査委員が過去に行った指摘、意見・要望に基づき、知事等関係機関が改善を講じたとして、地方自治法第199条第12項の規定により知事等から通知を受けているもので、毎年度、第二回と第四回の都議会定例会に報告し、公表しています。
今回は、143件の通知を受けました。
今回の措置の対象となっている監査
平成15年度 | 定例監査 |
平成14年度 | 定例監査 工事監査 行政監査 財政援助団体等監査 決算審査 |
平成13年度 | 定例監査 行政監査 決算審査 |
(2)改善状況
区分 | 件数 | |
---|---|---|
指摘 | 規定、基準等に即した適正な事務の執行、財産管理等に改めたもの | 59件 |
会議、研修等において周知徹底をしたもの | 29件 | |
補助金等を返還させたもの | 18件 | |
要綱、規則などを改正し、より適切な事業の執行に改めたもの | 6件 | |
その他 | 6件 | |
意見・要望 | 適切な事務執行や周知徹底を図ったもの | 11件 |
事業の効率化などに取り組んだもの | 5件 | |
関係組織との連携などに取り組んだもの | 3件 | |
その他 | 6件 | |
合計 | 143件 |
(3)措置内容の例
地目の認定を適正に行うべきもの
指摘等の内容
世田谷都税事務所では、固定資産税・都市計画税に係る土地の地目認定について適用を誤っていたため、418万7,800円課税不足となっている。
講じた措置について
平成15年5月19日付けで地目の認定変更を行った。また、平成15年6月及び平成15年8月随時課税において修正課税処理をした。
【平成15年度定例監査】(本文 P.4)
補助金の交付について是正のための適切な措置を講ずるべきもの
指摘等の内容
都は、社会福祉法人東京都社会福祉事業団が行う施設貸付事業の開始に当たり、新たに課税される事業所税を支払うため、平成14年度に補助要綱を定めて補助金約3,740万円を交付している。しかしながら、地方自治法では「公益上必要がある場合」に補助金交付ができる、と定めており、収益を目的とした施設の貸付事業の運営に対して補助金を交付することは、「公益上必要がある場合」とは認められない。
講じた措置について
誤って交付されていた補助金については、補助金の交付決定を取り消し、平成16年4月21日に社会福祉法人から都へ全額返還させた。
【平成15年度財政援助団体等監査 福祉保健局】(本文 P.39)
コントロールセンタ盤の形式選定について
指摘等の内容
朝霞浄水場の設備工事では、局の手引きに基づき「片面形」のコントロールセンタ盤を設置しているが、近年、一般的に使用されている「両面形」を採用することでコスト縮減につながることから、同手引きの改訂に反映させるため早期に検討されたい。
講じた措置について
平成14年9月5日、コントロールセンタ盤の形式について、設置条件を勘案し可能なものについては、両面型を採用していくよう各関係部所へ通知した。また、平成15年4月「水道用機械・電気設備設計の手引き」の改訂を行った。なお、平成14年11月5日、当該工事について設計の変更を行い、両面型が採用できる部分について契約変更を行った。
【平成14年度工事監査】(本文 P.23)
電気料金の節減に努めるべきもの
指摘等の内容
豊島都税事務所(豊島合同庁舎)では、電気需給契約において直近1か年の毎月の最大電力実績が契約電力を下回っていることから、100キロワット減ずるだけでも、年間で218万余円の基本料金の節減が図れる。
講じた措置について
平成15年3月4日契約電力の変更手続を行い、平成15年4月分から電気料金の節減を図った。
【平成14年度行政監査(事業所における庁舎管理事務について)】(本文 P.26)
40人学級編制推進補助に係る補助対象学級数の把握を適正に行うべきもの
指摘等の内容
生活文化局では、年度当初に1学級当たりの実生徒数が40人以下の場合、特別補助金を交付しているが、3学校法人において、40人学級数の申請を誤ったため、補助金が過大に交付されている。
講じた措置について
過大に交付された補助金380万円については、平成15年5月22日までに、各学校法人から都に返還された。
【平成14年度財政援助団体等監査】(本文 P.39)
工事管理業務の委託について
指摘等の内容
帝都高速度交通営団では、工事監理業務の委託において、規程では3社選定するとしているにもかかわらず、子会社2社を選定している。 営団は都及び国が出資する公益性の強い団体であり、透明性、競争性を確保した契約を行う必要があることから、具体的な作業手順、作業方法等の仕様をきめ細かく定めるとともに新規参入を促進するなど、透明性・競争性を確保した契約事務を行うよう検討されたい。
講じた措置について
工事監理委託仕様書の全般的な見直しを行い、条件の緩和と具体的な作業手順、作業方法等をきめ細かく定めた工事監理委託仕様書の改訂をした。 また、平成15年5月以降発注の工事監理業務については、仕様の条件を満たしているコンサルタントのうち、応諾の回答があった11社からその都度3社を指名し、競争入札を実施している。
【平成14年度財政援助団体等監査】(本文 P.40)