平成23年監査結果に基づき知事等が講じた措置(第1回)
監査委員は、本日の第二回都議会定例会に「平成23年監査結果に基づき知事等が講じた措置(第1回)」を報告しました。
(1)概要
「監査結果に基づき知事等が講じた措置」は、監査委員がこれまでに行った指摘、意見・要望に基づき、知事等執行機関が実施した改善内容です。監査委員が改善通知を受け、毎年、第二回と第四回の都議会定例会に報告し、公表しています。
今回は、113件の通知を受けました。これにより、指摘等を行った749件のうち、既に改善されたものと合わせて646件(約86%)が改善済となりました。
今回の措置の対象となっている監査(指摘等件数749件)
平成22年 | 行政監査 工事監査 財政援助団体等監査 定例監査 |
平成21年(度) | 決算審査 行政監査 工事監査 財政援助団体等監査 定例監査 |
平成20年(度) | 決算審査 財政援助団体等監査 定例監査 |
平成19年 | 行政監査 |
平成16年度 | 決算審査 |
(2)改善状況
今回の改善状況
措置対象 | 改善済み | 改善中 | ||
---|---|---|---|---|
前回まで | 今回通知 | 計 | ||
A | B | C | D=B+C | A-D |
749件 | 533件 | 113件 | 646件 | 103件 |
(3)措置内容の例
全都立高等学校に、図書館管理システムを導入することとしました。
指摘の概要
図書館管理システムは、学校図書館での貸し出しや返却、蔵書点検など図書管理業務を効率的に行うために必要ですが、そのほかに、読書活動の推進や図書館の利用促進のために、生徒の読書傾向や未読率などのデータを提供することができます。
しかし、都立高等学校における図書館管理システムの導入率は約50%に過ぎず、導入済みの高等学校においても、市販ソフトを学校ごとに個別に選定して導入している状況となっていました。
そこで、都立学校図書館の管理の効率化と読書活動推進等に必要なデータを得るために、教育庁に対し、図書館管理システムの導入を検討するよう求めていました。
講じた措置について
教育庁は、平成23年度及び平成24年度の2年間で、都立高等学校統一の図書館管理システムを導入することとしました。
【平成21年行政監査】教育庁(P.41)
予備のネットワーク機器について、保守を行わないこととしました。
指摘の内容
建設局では、事務用情報ネットワークのために、ネットワーク機器を借り入れています。 しかし、必要のない予備機器を115台借り入れたことにより、合計で約331万円の不経済支出が発生していました。
講じた措置について
平成23年4月以降、予備として借り入れているハブ等について、保守を行わないこととし、保守料金に相当する金額のリース料を減額する契約を結びました。
【平成22年定例監査】建設局(P.30)
車道用転落防止柵の施工誤りについて、是正工事を行いました。
指摘の内容
谷地川の整備工事では、車道用転落防止柵を護岸上部のコンクリート側面に固定するため、アンカーボルトをコンクリートに180mm埋め込むものとして設計していました。
しかし、設計のとおり施工されていない箇所があり、車両の転落を防止するために必要な強度を確保できないおそれがありました。
講じた措置について
平成22年9月30日に是正工事を完了しました。
【平成22年工事監査】建設局(P.18)
過大に交付されていた補助金735万4,000円が返還されました。
指摘の内容
福祉保健局では、保育所、養護老人ホーム等を設置し、運営する社会福祉法人に対し、事業の実績や経費の額に応じて補助金を交付しています。
しかし、実績や経費の算定を誤り、735万4,000円の補助金を過大に交付していました。
講じた措置について
過大に交付していた735万4,000円が、12団体から返還されました。
【平成22年財政援助団体等監査】福祉保健局(P.21~24)