平成18年第一回都議会定例会 監査委員報告について

本日の第一回都議会定例会において、監査委員を代表して、樺山たかし監査委員が、定例監査、工事監査など過去1年間の監査結果を報告しました。

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監査結果の概要

過去一年間の監査による指摘等の件数と金額

  • 過去1年間の監査による指摘等の件数と金額
  • 指摘、意見・要望事項の件数 : 253件
    不経済支出など指摘した金額 : 約15億円※
    (※指摘金額としては、過去最大となっています。)

監査結果全体を通して、多くの指摘の背後には、

  • 担当者が現状の問題に一向に気づいていない例
  • 問題を放置し、先送りしている例

が少なくありません。何事にも問題意識やコスト意識をもって取り組むよう、「プロの公務員」としての自覚を求めました。

各監査の報告の中でも、執行機関に特に留意してもらいたいことについて、意見を述べています。

2 報告の概要(主な事例など)

定例監査(監査委員報告本文1ページ)

都の行財政全般を対象に、本庁のすべての部と事業所の半数(合計499か所)を監査した。
毎年継続的に行っている契約でも、その内容が適切だとは限らないため、ムダや誤りがないか、より良い方法がないか、問題意識をもって事務を見直すよう求めた。
事例
都立高校のパソコン教室にある一部のリース品(OAフロアー等)の不必要な新品への更新や、議会棟にある稼動していないエスカレータの保守経費について改善を求めた。

工事監査(監査委員報告本文2ページ)

都が行った100万円以上の工事の約1割(1,640件)を監査した。
指摘した内容は、工事費の積算を誤ったものが大半を占め、不注意やチェック不足によるミスが少なくないため、早急に改善するよう求めた。
事例
下水道管に光ファイバーを取り付ける工事の積算システムの設定ミスに起因する過大積算や土砂運搬ダンプカーの過積載に対する請負業者への指導・監督について改善を求めた。

行政監査(監査委員報告本文3ページ)

「情報システムの運用管理」をテーマとして監査を実施した。
システムの構築・導入に当たっては、徹底したニーズ分析、業務分析を行うとともに、事前に十分調査し、経費にも配慮するよう求めた。
事例
学校給食の予約システムについて、既存機器の調査をせず、各校一律にパソコンを配備している事例や平成15年度に導入された文書管理システムの電子決定率が13%程度に止まっている事例について改善の検討を求めた。

財政援助団体等監査(監査委員報告本文4ページ)

都の出資団体30カ所、補助金交付団体423か所を監査した。
出資団体の監査では、経営について詳細に検証し、経営改善に向けた一層の取組を求めた。
事例
東京都保健医療公社で運営している病院は、民間と比べて高コスト体質であるが、都の補助金は、収支の不足分を全額補てんしており、経営努力を促す仕組みとなっていないため、経営改善への一層の取組を求めた。
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