平成21年第一回都議会定例会 監査委員報告について

本日の第一回都議会定例会において、監査委員を代表して、こいそ明監査委員が、定例監査、行政監査及び工事監査など、過去1年間の監査結果を報告しました。

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1 報告の概要

過去一年間の監査による指摘等の件数と金額

  • 指摘事項、意見・要望事項の件数 276件
  • 不経済支出などを指摘した金額  約6億2,500万円

監査結果を通して、全体としての問題点は、次の二点です。

  • コスト削減に向けての努力が足りず、不必要な経費を支出している
  • 仕事の進め方が、事業環境の変化に十分対応したものとなっていない

そのため、管理者に対し、様々な課題に即応できる高度な知識と能力を備え、都民サービスの向上させる気概にあふれた職員の育成を図るよう求めました。

監査委員報告の概要は以下のとおりです。

2 報告の概要(主な事例など)

定例監査(監査委員報告本文1ページ)

都の行財政全般を対象に、本庁のすべての部と事業所の約半数(合計483か所)を監査しました。
【事例】
・都立病院の新財務会計システム開発に当たり、約1億4千万にも上る追加開発は必要なかったこと、
・都営住宅の退去者に対する保証金等の返還に当たり、銀行の口座振替制度を導入すること、 などを指摘しました。

「特命随意契約」を重点的に監査した結果、競争契約が可能であるにもかかわらず特命随意契約としていたものなど、不適切な事例が37件認められました。

行政監査(監査委員報告本文2ページ)

「庁舎の管理(安全対策及び環境対策を中心として)」及び「青少年の健全育成」をテーマとして監査しました。
「庁舎の管理」では、什器・備品類の転倒・落下等を防止する措置が不十分である、避難経路の確保がなされていない、PCB廃棄物や薬品類の保管状況が不適切である、などの事例が、多くの事業所で見受けられました。

工事監査(監査委員報告本文3ページ)

100万円以上の工事を対象として、その約1割(1,860件)を監査しました。
指摘の多くは積算の誤りで、合計で38件、約1億7千万の過大積算を指摘しました。
・東京ビッグサイトの屋根防水工事において、積算額が約1,680万円過大

公園の道路舗装において環境負荷の少ない再生材を利用することについて検討を求めました。
また、「設計変更」を重点監査事項として調査・検証しました。

財政援助団体等監査(監査委員報告本文4ページ)

都の出資団体14団体、補助金交付団体168団体を監査しました。
東京都新都市建設公社に過大に交付した交付金を返還させるよう局に求めました。また補助金交付団体に対しては、補助金の返還などを求めました。

財政健全化判断比率等審査(監査委員報告本文5ページ)

健全化判断比率及び資金不足比率を審査しました。
健全化判断比率は全て良好であり、資金不足も全ての会計において生じていませんでした。

随時監査(監査委員報告本文6ページ)

会計検査院の監査で、12道府県で不正経理が発覚したため、国費関連事務費に係る経理が適切に行われているか、緊急に監査を実施しました。
先に物品を納入させ、翌年度に契約書類等を作成している事例や、契約上の物品と実際に納入された物品が異なっていた事例など、不適正な契約実態が認められました。
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