平成23年第一回都議会定例会 監査委員報告について

本日の第一回都議会定例会において、監査委員を代表して、大塚 たかあき監査委員が、定例監査、行政監査及び工事監査など、過去1年間の監査結果を報告しました。

「監査委員報告」全文へ(PDF 128KB)

1 報告の概要

過去一年間の監査による指摘等の件数と金額

  • 指摘事項、意見・要望事項の件数 151件
  • 不経済支出などを指摘した金額  2億2千万円

監査結果を通して、全体としての問題点は、次の二点です。

  • 組織内部のチェック体制が十分に機能していないために誤りが見過ごされていること
  • 安易に前例が踏襲されるなど、コスト意識や問題意識を持って職務を見直していないこと

そのため、管理者に対し、さまざまな課題に対応できる高度な知識と能力を備え、都民サービスを向上させる気概にあふれた職員の育成を図るよう求めました。

2 報告の概要(主な事例など)

定例監査(監査委員報告本文1ページ)

本庁の全ての部と事業所の約4割、合計445か所において
都の行財政全般について監査しました。
・物品購入などの契約で、事前に行うべき契約手続を、納品後に行っていた事例
・情報通信機器について、必要以上に性能の高い機器を借り入れていたほか、 必要のない予備の機器を115台借り入れていた事例
・各区市町村シルバー人材センターへの運転資金貸付事業について、事業開始 以来漫然と事業を継続していた事例

行政監査(監査委員報告本文2ページ)

特定の事務・事業について経済性・効率性・有効性の観点から監査するもので、
平成22年は、債権管理について監査しました。
監査結果の概要
使用料や貸付金等の収入管理や滞納整理が適切であるかを検証しました。
債務者の状況に応じた滞納整理を行っていない事例などが認められたため、 公平かつ効果的・効率的に債権管理を行うよう求めました。

工事監査(監査委員報告本文3ページ)

100万円以上の工事のうち約1割(1,541件)について、技術面から監査しました。
監査結果の概要
・展示物の製作単価を誤って7倍にするなど、単純な積算誤りが認められた。
・重点監査事項として、工事の施工管理が適切に行われているかを検証し、車道の転落防止柵が設計どおり河川の護岸に固定されておらず、安全が確保されていない事例などが認められた。

財政援助団体等監査(監査委員報告本文4ページ)

補助金交付団体や出資団体のうち147団体について、補助や出資の目的に沿って適切に事業を行っているかを監査しました。
指摘事例
(補助金交付団体)
・社会福祉法人に対し、施設利用者数の算定誤りなどによる補助金の過大交付が多数認められたので、返還を求めた。
(出資団体)
・物品購入契約で請求書に日付が記載されていないのに、契約代金を支出している事例が多数認められた。
・道路の補修工事で夜間工事から昼間の工事に設計を変更する必要があったのにこれを行っていない事例が認められた。
「監査委員報告」全文へ(PDF 128KB)