住民監査請求結果(平成20年受付分)

1 重度心身障害者手当の支給を違法・不当として必要な措置を求める件

請求日 平成20年1月23日
結果通知日 平成20年3月19日

請求人の主張

請求人は、本件受給者に対する重度心身障害者手当の支給について、本件受給者の活動状況等から申請行為に虚偽の可能性があり、重度心身障害者手当条例の支給要件には該当しないことから、本件支給を取消し、支給を受けた本件手当の返還を求めた。

監査結果

理由なし(棄却)

本件受給者に対する受給資格については、東京都心身障害者福祉センターの医師が、本件受給者の障害の状態について直接診断を行い、当該診断結果に基づき、東京都心身障害者福祉センター長が、本件条例の要件について判定したものであることが認められる。

支給決定は、本件受給者について、医師が診断、確認して判断したものであり、当該判定に当たって、本件受給者が不正行為等を行ったとする事実も見当たらない。

したがって、本件受給者に対して支給した本件手当については、返還請求を行う場合に当たるとは認められない。

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2 不当利得の返還にかかる利息の請求を求める件

請求日 平成20年2月1日
結果通知日 平成20年3月27日

請求人の主張

請求人は、都議会議員選挙における本件請求対象となっている49人の候補者の公費負担となる本件燃料代及び本件ポスター代の返還にかかる利息について、都知事が利息債権の行使を怠っていると主張し、その行使を求めた。

監査結果

理由なし(棄却、意見あり)

公費負担の返還を申し出た本件各候補者には不当利得が発生しているが、悪意の受益者であるとまではいえず、不当利得に対して利息が発生しているともいえない。

よって、本件各候補者の公費負担となる本件燃料代及び本件ポスター代の返還にかかる利息について、都知事が利息債権の行使を怠っているとして、その行使を求める請求人の主張には理由がない。

意見

選挙運動の公費負担は、候補者の選挙運動にかかる費用を公費を以て負担する制度であることから、その運用は適正に行われるべきであり、監査対象局においては、候補者に誤解を生じさせ、ひいては都民に公費負担制度に対する疑義を抱かせることのないよう、制度の周知徹底と適正な運用に格別に留意をされたい。

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3 交通局職員の職免取得を違法としてその取消し等を求める件

請求日 平成20年5月28日
結果通知日 平成20年7月23日

請求人の主張

請求人は、本件交通局職員にかかる平成19年5月28日から同年12月31日までに事後申請により取得した職免の申請手続を違法として、その取消し及び事後申請により取得した職免にかかる給与の返還等を求めた。

監査結果

理由なし(棄却)

事務処理上、書類の記入が事後になされていたことのみをもって、ただちに職免申請が事後になされ、職免申請手続として違法であるとまではいえない。

よって、事後申請により取得した職免の申請手続を違法として、その取消し及び事後申請により取得した職免にかかる給与の返還等を求める請求人の主張には理由がない。

補足意見

監査対象局は、職免制度が地方公務員法に定められた職務専念義務を例外的に免除する制度である趣旨を踏まえ、職免承認手続を厳正に行い、都民の信頼に応えるよう努められたい。

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4 議会対応職員の宿泊施設の借上料の支出を違法・不当として必要な措置を求める件

請求日 平成20年12月25日
結果通知日 平成21年2月18日

請求人の主張

請求人は、議会対応により生じた職員の宿泊にかかる宿泊施設の借上料の支出が地方自治法第2条第14項に違反するなどとして、必要な措置を求めた。

監査結果

理由なし(棄却)

(1)結論(請求には理由がない。いわゆる棄却)
議会対応により生じた職員の宿泊にかかる宿泊施設の借上料の支出が地方自治法に違反するなどとして、必要な措置を求める請求人の主張には理由がない。

(2)意見
職層の異なる職員が同一宿泊施設に宿泊する場合に、局によっては、総務局長決定の「宿泊基準」の範囲内で借上料の支出を行っている事例も見られることから、東京オリンピック・パラリンピック招致本部、福祉保健局、病院経営本部、水道局及び教育庁においては、宿泊基準の趣旨・目的を踏まえ、経済性の観点から、基準の範囲内で借上料の支出に努めていくべきである。

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