東京都監査委員は、本日の平成20年第一回都議会定例会に、「平成19年行政監査報告書」を提出しました。
「平成19年行政監査報告書」全文へ(PDF 1681KB)都は、公の施設(都立の美術館、公園など)の管理について、平成18年度より指定管理者制度を本格的に導入しています。
この結果、施設の管理を行える者が、広く民間事業者にまで拡大されました。
今回の監査では、指定管理者制度導入の目的が達成されているかについて、導入初年度の状況を各局横断的に検証しました。
監査の結果、36件の指摘と4件の意見・要望を行い、次の点について改善を求めました。
都が出資又は運営する公共交通機関について、経営状況や業務の実施状況を横断的に検証し、有用な提言を行うために実施しました。
株式会社ゆりかもめ、多摩都市モノレール株式会社、東京臨海高速鉄道株式会社、東京地下鉄株式会社、交通局ほか3局
【新公会計を活用して分析】
<現状>
監査対象のうち、ゆりかもめ及び多摩モノレールについては、都がインフラ部(駅舎、走行路等の躯(く)体部分)を整備・保有しており、会社単体の財務諸表にはインフラ部のコスト・ストック情報が計上されていません。
<監査手法>
このため、インフラ部分も含めて経営状況を評価するため、新公会計を活用して作成したインフラ部財務諸表と会社の財務諸表とを連結して、比較・検証しました。
【連結すると「ゆりかもめ」のほうが厳しい経営環境に】
会社単体では、多摩モノレールのほうが経営状況、資金状況ともに課題が多い。
しかし、都の保有部分(インフラ部)を連結してみると、ゆりかもめは、多摩モノレールよりも厳しい経営環境におかれていることが明らかになりました。
都は、事業の全体状況を把握するため、東京都財務諸表から得られるストック情報などを活用し、会社に対して適切に経営指導を行う必要があります。
一方、いずれの路線とも、インフラ部の整備にかかるコストを事業運営による収益でまかなうことは困難であり、インフラ部の整備は、都が公共事業として行う必要があったことがわかりました。
その他に、駅における収入現金の管理などについて、10件の指摘等を行いました。