平成12年度出納長所属各会計決算審査
(平成13年審査実施分)

本日の都議会定例会に提出された平成12年度東京都出納長所属各会計決算について、地方自治法の規定により、次のとおり監査委員の決算審査意見を付した。

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・歳入歳出決算総括(単位:百万円)

会計別 歳入決算額 歳出決算額 差額
一般会計 6,421,599 6,350,193 71,405
特別会計(18会計合算) 3,573,863 3,557,212 16,650
合計 9,995,462 9,907,406 88,055

意見の概要

決算計数について

各会計の決算計数は、出資による権利7億5,000万円が登載漏れとなる など、財産に関する調書の一部を除き、誤りのないものと認められる。

資金収支及び資金運用状況について

年度当初は、厳しい資金状況にあったが、法人二税を中心に都税収入の大幅な伸びがあったため、形式収支は収入超過となっている。

また、資金運用による利子収入は、前年度と比べて11億48百万円増加しているが、今後ペイオフの一部実施などの厳しい金融情勢を踏まえ、慎重かつ柔軟な資金運用が望まれる。

事業執行等に関する意見について

(1)全体意見

財政状況について

平成12年度決算における実質収支は、一般会計で190億余円の黒字となっているが、普通会計決算における実質収支は678億円の赤字となるとされている。

今後毎年度2,000~3,000億円程度の財源不足が見込まれる中で、スクラップ・アンド・ビルドによる新たな施策の展開、内部努力のさらなる徹底、新規財源の確保など財政構造改革を不断に推進し、自主的な財政再建を成し遂げるよう一層の努力が望まれる。

事業執行について

分担金及負担金、使用料及手数料、財産収入及び諸収入の収入未済(合計額206億50百余万円)の一部に、償還期限・納入期限から長期間 経過しているもの、未納者の状況の把握がなされていないものなどが見受けられたため、歳入確保の一層の努力が必要とされる。

また、公有財産等の登載漏れ・過大登載などが認められたため、財産管理の適切な執行が望まれる。

(2)局別意見

予算の執行状況等について審査した結果、全体としては良好と認められたが、次のとおり一部について審査意見を付している。

貸付原資と運用額との相違について、正確な数値の把握に努めるべきもの

小笠原諸島生活再建資金会計において、貸付原資と運用された貸付金等の運用額に相違が認められた。 (総務局)

歳入において適切な予算計上を行うべきもの

税の差押物件を公売に付す際、評価鑑定料を役務費で支出し、売却代金の中から滞納処分費として徴収しているが、この滞納処分費の歳入予算現額と役務費の歳出予算現額とに乖離があり、また歳入においては収入済額が予算現額に対し、大幅な増となっている。

地方消費税精算会計の都預金利子は、予算現額に対し、収入率1.8%と予算現額を大幅に下回っている。 (主税局)

債権管理の改善に努めるべきもの

看護婦等修学資金貸与金及び看護婦二年課程定時制学生生計資金貸付金の債権管理において、毎年度、年度末残高が誤ったものとなっている。
(衛生局)

出納長所属決算審査意見書本文