平成16年度出納長所属各会計決算審査

監査委員は、第三回都議会定例会に知事から提出された平成16年度各会計歳入歳出決算について、地方自治法の規定により審査し、意見を付しました。

審査の概要

知事から提出された一般会計及び特別会計の歳入歳出決算書、歳入歳出決算事項別明細書、実質収支に関する調書及び財産に関する調書について審査しました。

審査に当たっては、

(1)決算計数は、正確であるか
(2)予算執行は、適正かつ効率的になされているか
(3)資金は適正に管理され、効率的に運用されているか
(4)財産の取得、管理、処分は、適正に処理されているか

などに主眼を置き、決算書等及び証拠書類の照合等を行うとともに、関係部局から決算についての説明を聴取するなどの方法により審査を実施しました。

審査の結果

決算計数について

審査に付された一般会計及び特別会計の歳出歳入決算書、歳入歳出決算事項別明細書及び実質収支に関する調書の計数は、誤りのないものと認められました。

財産に関する調書の計数の一部に、次のとおり、その一部に誤りが認められました。

公有財産
土地
過大に登載されているもの 2件 7,751.43㎡
登載漏れとなっているもの 3件 100,405.72㎡
建物
過大に登載されているもの 1件 16.00㎡
登載漏れとなっているもの 5件 2,384.96㎡
無体財産権
過大に登載されているもの 1件
登載漏れとなっているもの 3件
物品
過大に登載されているもの 2件 26点
登載漏れとなっているもの 2件 26点
債権
過大に計上されているもの 1件 94,449,858円
計上漏れとなっているもの 1件 257,635,256円

事業執行等について(全体意見)

1 財政状況について

一般会計における都税、諸収入、使用料及び手数料などの収入未済額は、平成16年度決算で1,314億73百余万円となっている。

主税局における滞納整理の強化や各局のプロジェクトチーム等の取組により、収入未済額は年々減少しているが、依然として非常に多額である。

各局においては、収入未済の問題の重要性を改めて認識し、多額の収入未済額の回収に向け、一層積極的に取り組むべきである。

意見書本文P.3(PDF 167KB)

2 事業執行について

公有財産(土地・建物)等については、昨年度、一昨年度の決算審査において、各局に対し、適切な管理を求める意見を付したところであるが、平成16年度決算審査においても、公有財産や物品等の登載に誤りが認められた。

各局においては、適正な管理の必要性を職員に対し改めて認識させるとともに、現在の体制を速やかに再点検し管理の実効性を高めるなど、事務の適正な執行に努められたい。

意見書本文P.3(PDF 167KB)

3 財産管理について

都は、平成18年度に、すべての会計に複式簿記・発生主義会計を導入することとしているため、平成16年度の決算審査では財産の現在高が正確に把握されているかを重点的に審査した。

その結果、各局において公有財産(土地・建物)等の登載漏れ・過大登載、債権の計上漏れ・過大計上など、財産管理に適正を欠くものが認められた。

各局においては、管理に従事する職員の意識の向上、チェック体制の確立などにより、財産管理の徹底を図り、事務を適正に執行する必要がある。

意見書本文P.3(PDF 167KB)

局別意見(要旨)

4 生体の搬入に伴う廃棄物について応分の負担を求めるべきもの

中央卸売市場(食肉市場)では、牛などの生体の搬入やと畜解体作業によって発生する廃棄物(おが屑、畳、わら、腹ふんなど)の運搬処分を行っている。しかし、このうち、おが屑、畳、わらは、と畜解体作業によって発生するものではなく、生体の搬入に伴って発生するものであることから、生体の搬入事業者にも応分の経費負担を求めるべきである。
 

中央卸売市場(と場会計)意見書本文P.112(PDF 145KB)

5 財産管理を適切に行うよう方策を講じるべきもの

都立高等学校等において、取得または廃棄した重要物品(取得価格100万円以上のもの)については、各学校が物品管理システムに入力し、管理している。しかし、平成16年度の物品管理システムへの入力状況を確認したところ、765件のうち43件(5.6%)が登載漏れまたは過大登載となっていることが認められた。

庁は、登載漏れ等を予防できる方策を講じるべきである。

教育庁意見書本文P.133(PDF 163KB)

平成16年度東京都各会計歳入歳出決算審査意見書

P.1
P.2~5
P.7~11
P.12~26
P.27~39
P.41~44
P.45~48
P.49
P.50~51
P.52~56
P.57~59
P.60~65
P.66~69
P.70~73
P.74~84
P.85~88
P.89~97
P.98~107
P.108~110
P.111~116
P.117~120
P.121~124
P.125~127
P.128~131
P.132~137
P.138~139
P.140~141
P.142~143
P.144~146
P.147~148
P.149~150
P.151~153
P.154~155
P.156
記事ID:036-001-20240722-002706