平成20年随時監査報告書(公共事業に係る国庫補助金等の事務処理について)
監査の概要
会計検査院の検査で問題となった旅費、賃金及び一般需用費について調査を実施(平成18年度及び平成19年度執行分)
一般需用費のうち消耗品購入については、納入業者(14業者)への関係人調査も実施
監査対象は、3局4部4事務所
産業労働局 : 農林水産部、森林事務所
建設局 : 道路建設部、河川部、第二建設事務所、北多摩北部建設事務所
港湾局 : 港湾整備部、東京港建設事務所
監査の結果
1 事務費の経理について(本文P.3)
調査確認した範囲において、架空の経費への支出はないものと認められた。
都における事務費の経理は、国庫補助事業と都単独事業との区分経理を行っていないため、国庫補助金の事務費が国庫補助対象以外に流用されていないかどうかは、明確な判断はできなかった。
国の通達等では、区分経理等を行うことが補助金交付の原則とされているが、事業執行の実情を踏まえていない側面もあると考えられる。
今後、会計検査院の検査結果や各省庁の補助金所管部署が示す見解を踏まえ、都としてどのように対応するか、大きな課題となっている。
2 契約事務について(本文P.6)
物品納入業者等への関係人調査の結果、架空の経費への支出や架空の契約に基づく業者への預け金は認められなかった。
一方、産業労働局農林水産部及び森林事務所で、下記のとおり不適正な契約実態が認められた。
2 補助金及び分担金の対象契約における競争性の確保について(本文P.19)
本部は、委員会が締結した契約のうち、補助金や分担金の対象となるものについて、補助金交付要綱や協定書に契約の方法を定めるなど、可能な限り競争性の確保に努めるべきである。
3 招致活動に伴う資金前渡等の事務処理について(本文P.21)
① 旅行者が同一地域に滞在する場合、その滞在日数に応じて、日当の一定割合が減額されることとなっているが、本部では減額せずに支給したものがあった。
② 旅費の概算払いの精算は、旅行終了後速やかに行わなければならないが、遅延しているものがあった。
③ 資金前渡を受けた場合は、用件終了後5日以内に精算を行わなければならないが、1ヶ月以上経過後に行われていたものがあった。
指摘事項
産業労働局農林水産部(本文P7、8)
- 消耗品の購入契約1件で、「一括払い」及び「前年度納入」が行われている。
- 別の消耗品の購入契約1件で、「一括払い」及び「契約上の品物とは異なる物品の納入」が行われている(契約では「名刺ホルダー外7点」であるが、実際には25品目の消耗品が納入されている)。
産業労働局森林事務所(本文P8)
消耗品の購入契約2件において、「一括払い」が行われている。
現在、会計管理局が各局に対して自主点検を依頼中であるが、各局において一層厳密な調査を行うよう求める。