平成14年度各会計定例監査(平成13年度執行分)報告書

東京都監査委員は、第一回都議会定例会開会日に「平成14年度各会計定例監査(平成13年度執行分)報告書」を提出しました。

この監査は、地方自治法第199条第1項、第2項及び第4項の規定に基づき、毎年度実施しているものです。

監査の実施に当たっては、都が、事務の管理体制や自己検査の体制などの「内部検証システム」を重点監査事項として設定しました。

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監査の結果

重点監査事項

内部検証システム
全局を対象とし、事務の管理体制が適切に整備されかつ十全に機能しているか、自己検査の実施体制はどのような状況かについて検証を行い、事務の管理体制、自己検査に関して7件の意見を付しました。

局別事項

局別事項では、財産の管理が不適切であるもの、不経済支出であるものなど、57件の指摘及び4件の意見・要望を付しました。

監査対象の概要

  監査対象箇所数 監査実施箇所数 実施率(%)
本庁 135部
(140)
135部
(140)
100
(100)
事業所 843所
(857)
342所
(372)
40.6
(43.4)
978
(997)
477
(512)
48.8
(51.4)

※( )内は、平成13年度の実績

主な監査結果の概要

重点監査事項「内部検証システムについて」

事務の管理体制

意見

現金及び物品の管理事務について

前渡金について

前渡金などの現金は、取扱いについて特に注意をすることが必要であり、担当者以外の者による定期的な照合を行うとともに、前渡金管理の責任の所在を明確にするために照合結果を記録する仕組みが必要である。

収納金について

領収書は収納金のもととなる帳票であることから、領収書の連番管理の意義を踏まえ、書き損じた領収書を保存する必要がある。

物品について

物品は適正に、かつ有効活用できるよう管理するとともに、その更新の是非や購入時期等の判断に当たっての基本的な情報となるものであるから、その利用状況を常に把握する必要がある。

自己検査

意見

マニュアルについて

自己検査マニュアルは出納長室において作成しているが、都の事務事業は多岐にわたっており、局固有の事務事業を網羅しているものではないことから、各局は、局の事務事業に対応した検査項目を追加した自己検査マニュアルを作成する必要がある。

検査結果について

検査において、改善を要するとされた事項については、その事務を担当する部・所だけの問題とするのではなく、速やかに局全体へ周知を徹底し、事務の改善につなげていく仕組みが必要である。

改善状況について

検査の結果、改善を要するとされた事項の改善は、自己検査の事後処理として当然に行うべきことであり、改善状況を定期的に確認し、報告させる仕組みが必要である。

局別事項

(1)合規性の観点によるもの

不動産取得税の課税を適正に行うべきもの(主税局)

住宅又は住宅の敷地となっている土地を取得した場合は、不動産取得税を減額して課税することとされているが、杉並都税事務所では、減額の対象とならない事務所及び店舗並びにその家屋に対応する土地の不動産取得税について減額を行ったことから、160万5,900円が課税不足となっており適正でない。

(2)経済性・効率性の観点によるもの

行政財産の使用許可に伴う使用料の取扱いを適正に行うべきもの(病院経営本部)

経営企画部では、駐車場施設等として、行政財産の使用許可を行っているが、病院会計における、行政財産の使用料は、消費税分を含まない評価額により算定されているにもかかわらず、消費税分が使用料の算定に含まれているとして取り扱ったため、589万591円の使用料(消費税分)が徴収不足となっており適切でない。

また、港湾局臨海開発部においても、同様な事例が認められた(港湾局)。

(3)有効性の観点によるもの

給食業務の委託について検討すべきもの(交通局)

職員部では、自動車営業所等全31か所の事業所において、食堂、厨房を設け、委託により給食業務を行っているが、職員の利用率を見たところ、一部の事業所においては、15%から17%となっているなど、低調な利用実績となっていることが認められたことから、利用率の低い事業所における業務の見直しを行うなど給食業務の委託について検討されたい。

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