平成18年各会計定例監査(平成17年度執行分)報告書

監査委員は、本日の第三回都議会定例会に「平成18年各会計定例監査報告書」を提出しました。

「平成18年各会計定例監査(平成17年度執行分)報告書」全文へ(PDF 632KB)

監査の概要

平成17年度の財務に関する事務の執行や経営に係る事業の管理について、合規性、経済性、効率性、有効性の観点から監査しました。

平成21年度の財務に関する事務の執行や経営に係る事業の管理について、合規性、経済性、効率性、有効性の観点から監査しました。

本庁131部全てと、事業所350所を対象に監査を行いました

【監査実施状況】

区分 監査対象箇所数 監査実施箇所数 実施率
本庁
131部
131部
100%
事業所
802所
350所
44%
933
481
52%

監査の結果

監査の結果、50件の指摘等を行いました。

【重点監査事業(事項)について】

1 局別重点監査事業(事項)

これまでの監査実施結果を踏まえ、指摘等が多く見られた事業や課題となっている事業を中心に、局ごとに設定して重点的に検証しました。(報告書本文の7頁参照)

その結果、6事業について、9件の指摘等(※)を行いました。

2 重点監査監査事項(全局共通)

平成16年度決算の審査において、一般会計における収入未済金が依然として多額であり、取り組み状況を再度検証する必要があるため、「収入未済(未収)金」を重点監査事項として設定し、滞納整理や債権管理の取り組み状況を検証しました。

その結果、10件の指摘等(※)を行いました。

※50件の指摘等の内数です

主な事例(要旨)

1 車両置場使用料の徴収を適正に行うべきもの

市場が事業者団体に対して使用許可している駐車場の使用料は、市場が定めた要領により、「利用者中に占める買出人等の割合が70%を超える車両置場」には割安な料金基準が適用される。

ところで、築地市場がAに対して、買出人等の車両置場として使用許可している駐車場の利用状況は、要領で定めた適用基準を満たしていないにもかかわらず、買出人等の車両置場使用料を適用しているため、本来適用すべき使用料との差額約2,055万円(年額)が収入不足となっている。[合規性]

【指摘事項】 中央卸売市場 本文 P.39
【指摘事項】 都市整備局報告書本文 p.53

2 土地の用途に応じ課税を適正に行うべきもの

局は、高架道路下の土地について、当該土地を積極的に道路以外の用途に供している場合には、固定資産税・都市計画税を非課税としないこととしている(主税局長通達)。

ところで、文京都税事務所管内における、首都高速道路の高架下の土地について見たところ、土地の一部が駐車場等として使用されているにもかかわらず非課税としており、固定資産税・都市計画税129万9,300円が課税漏れとなっている。[合規性]

【指摘事項】 主税局報告書 本文P.13

3 未利用地を速やかに引き継ぐべきもの<局別重点監査事業(事項)>

建設局では、未利用地を平成14年度に財務局に引き継ごうとしたところ、財務局から「活用案を検討中」のため引き続き建設局で所管するよう指示され、未利用のまま管理を続けている。

ところで、平成15年度に策定された「第二次財産利活用総合計画」によれば、各局が事業を行っていく上で必要となる土地建物は、極力、既存の保有資産の中から転活用していくとしている。

財務局は、各局の需要と供給の両面を適切に把握し、全庁的視点からの調整と活用を進めていく必要があるにもかかわらず、当該用地を行政財産として未利用な状態のまま3年間も放置している。[有効性]

【指摘事項】 財務局報告書 本文 P.12

4 債権の徴収事務を適正に行うべきもの<重点監査事業(事項)>

福祉保健局における負担金、貸付金償還金、使用料などの多数の債権に多額の収入未済金が生じている。

滞納している債権を回収するためには、滞納者に対し、適時に適切な徴収事務を行う必要があるが、局における収入未済金の徴収事務について見ると、督促を実施していない部所があるほか、催告書や電話による催告を行っていない事業所があること、滞納者の状況調査を全く行っていないなど、適正でない事務処理が多数見受けられた。

このことから、局として債権管理にかかる規定を定め、また、標準的に行うべき徴収事務について事務処理マニュアルを作成する必要がある。[合規性]

【指摘事項】 福祉保健局報告書 本文 P.23 

5 診療報酬の請求を適切に行うべきもの<局別重点監査事業(事項)>

都立病院の診療報酬の請求について見たところ、次のとおり不適切な事務処理が認められた。

ア 清瀬小児病院では、必要とされる症状について担当医師がレセプトに詳記していないことから、3,078万円の診療報酬が未請求となっている。

イ 松沢病院では、生活保護の医療扶助を受ける患者について、福祉事務所に医療要否意見書を提出していないため、福祉事務所が医療券(生活保護法による医療扶助を受ける資格があることを証明する書類)を発行できないものがあり、診療報酬323万円が未請求となっている。[合規性]

【指摘事項】 病院経営本部報告書 本文 P.31 

6 電線共同溝整備に係る手続を適正に行うべきもの<重点監査事業(事項)>

局は、道路管理者として、電線共同溝の占用予定者の意見を聞いて共同溝の工事ごとに整備計画を定めて建設を行い、電線共同溝の占用予定者は、整備計画に応じて道路管理者が定める額の建設負担金を納付しなければならない(電線共同溝の整備等に関する特別措置法等)。

ところで、第二建設事務所では、5件の共同溝工事が完了し、数ヶ月経過しているにもかかわらず、整備計画を定めていないことから、共同溝の占用予定者が負担すべき建設負担金(1,570万円)について徴収できない状況となっている。[合規性]

【指摘事項】 建設局報告書 本文 P.49 

7 公園占用許可申請に際し、減免申請を適切に行うべきもの

南部第一支所は、大田区内において、区立公園の敷地を占用して配水管、立坑等の水道施設を設置する場合、区から公園敷地の占用許可を受けるとともに、申請により占用料の全額免除を受けている。

ところが、大田区内の一部の公園については、水道施設の減免申請が提出されておらず、約200万円(累計)の占用料を支出していることが認められた。[経済性]

【指摘事項】 水道局報告書 本文 P.56 

8 契約に係る予定単価の積算を適切に行うべきもの

業務部では、動力式井戸揚水能力測定作業委託について、特命随意による契約により締結している(予定総額10,437,000円)が、この単価の積算について見たところ、①事業者から徴取した下見積りに示された単価を検証せずにそのまま設計単価としていること、②積算に用いられている人件費(3,210円)は、局の積算基準における労務単価を用いて試算した場合の額(2,440円)を上回るものとなっていること
が認められた。[経済性]

【指摘事項】 下水道局報告書 本文 P.58 

「平成18年各会計定例監査(平成17年度執行分)報告書」全文へ(PDF 632KB)