平成18年財政援助団体等監査報告書
東京都監査委員は、本日の平成19年第一回都議会定例会に、「平成18年財政援助団体等監査報告書」を提出しました。
監査の概要
財政援助団体等監査は、都が補助金等を交付している団体に対して、その事業が補助等の目的に沿って適正かつ効果的に行われているかなどについて実施する監査です。
併せて、団体に対する所管局の指導監督が適切に行われているかについて監査します。
平成18年は、155団体について、平成16年度及び17年度の事業を対象として監査を実施しました。
【監査の結果】
私立学校経常費補助金(約429万円)の返還を求めるべきものなど、32件の指摘、5件の意見・要望を行いました。
(表) 団体別の指摘等件数<( )は意見・要望事項で内数>
区分 | 監査実施団体数 | 指摘等件数 |
---|---|---|
補助金等交付団体 | 134 | 15(1) |
出資団体 | 13 | 13(3) |
公の施設の管理受託団体 | 8 【10】 | 9(1) |
合計 | 155 | 37(5) |
- 出資団体とは、都が資本金等の25%以上を出資している団体です。
- 【 】書きは、補助金等交付団体及び出資団体との重複分を含めた団体数です。
主な事例
補助金等交付団体
(1)経常費補助金の返還を求めるべきもの
私立学校経常費補助は、1週間に5日以上勤務する教職員の人数に応じて、その人件費の一部を補助するとしており、この補助金を申請する場合には、校長を含む全教職員の出勤簿を備えておかなければならない。
しかし、学校法人江戸川学園の江戸川女子高等学校における補助金交付状況を見たところ、校長の出勤簿が備えられておらず、勤務実態が確認できないまま補助金が交付されている。(補助金約429万円の過大交付)
学校法人江戸川学園、生活文化局 指摘事項(報告書本文27ページ)
(2)給水装置を適正に使用すべきもの
青梅畜産センター(旧畜産試験場)では、牛、豚、にわとりなどの飼育に使用するため、井戸水の配管を場内に設置している。
このうち乳牛の搾乳舎の水道管について見たところ、水道法施行令では給水装置の構造は、水道給水装置以外の水管その他の設備に直接連結されていないことと定められているにもかかわらず、水道管と井戸水の配管とが直接連結されており、不適正な状況が認められた。
産業労働局 指摘事項(報告書本文122ページ)
出資団体
(3)緊急工事の事務手続を適切に行うべきもの
財団法人東京港埠頭公社は、安全確保等の理由で緊急に工事を施行する必要が生じたときは、社内規程に基づき、所定の契約手続によらず緊急工事を行うことができるが、その事務手続について見たところ、次のように適切でない事例が認められた。
ア 故障箇所が数ヶ月前から判明しており、通常の契約手続が可能であったにもかかわらず緊急工事で行っている。
イ 施設の雨漏りを確認しており至急対応すべきであるのに、緊急工事の手続が大幅に遅れている。
ウ 緊急工事依頼後、直ちに行わなければならない契約手続が、一部大幅に遅れている。
財団法人東京港埠頭公社 指摘事項(報告書本文283ページ)
公の施設の管理受託団体
(4)消費税に係る会計処理を適正に行うべきもの
社会福祉法人東京都社会福祉事業団は、都の委託事業と事業団の自主事業について5つの特別会計を設けて経理している。
このうち、消費税の会計処理を見たところ、事業団の自主事業の経費として負担すべき消費税を、誤って都の委託事業の経費としており、事業団が負担すべき消費税を都からの委託費で支払っている。
社会福祉法人東京都社会福祉事業団、福祉保健局 指摘事項(報告書本文222ページ)
平成18年度財政援助団体等監査報告書全文(本文397ページ)
表紙~p.9 | |
第2 補助金等交付団体別監査結果 | |
p.13~14 | |
p.15~16 | |
p.17~18 | |
p.19~32 | |
p.33~36 | |
p.37~43 | |
p.44~46 | |
p.47~49 | |
p.50~51 | |
p.52~105 | |
p.106~114 | |
p.115~130 | |
第3 出資団体別監査結果 | |
p.133~143 | |
p.144~152 | |
p.153~165 | |
p.166~175 | |
p.176~205 | |
p.206~215 | |
p.216~264 | |
p.265~279 | |
p.280~312 | |
p.313~331 | |
p.332~340 | |
p.341~354 | |
p.355~363 | |
第4 公の施設管理受託団体別監査結果 | |
p.216~264 | |
p.280~312 | |
p.367~386 | |
p.387~395 | |
p.396~397 |