東京都監査委員は、本日の平成20年第一回都議会定例会に、「平成19年財政援助団体等監査報告書」を提出しました。
「平成19年財政援助団体等監査報告書」全文へ財政援助団体等監査は、都が補助金等を交付している団体に対して、その事業が補助等の目的に沿って適正かつ効果的に行われているかなどについて実施する監査です。
併せて、団体に対する所管局の指導監督が適切に行われているかについて監査します。
平成19年は、198団体について、平成17年度及び平成18年度の事業を対象として監査を実施しました。
【監査の結果】
特別養護老人ホーム経営支援補助金の返還を求めるべきものや、出資団体における適切な契約手続を求めるものなど、48件の指摘、8件の意見・要望を行いました。
(表) 団体別の指摘等件数<( )は意見・要望事項で内数>
区分 | 監査実施団体数 | 指摘等件数 |
---|---|---|
補助金等交付団体 | 189 |
26(3) |
出資団体 | 9 |
30(5) |
合計 | 198 |
56(8) |
※ 出資団体とは、都が資本金等の1/4以上を出資している団体です。
補助金等交付団体
(1)補助金の執行に当たり審査を適正に行うとともに、過大に加算した補助金の返還を求めるべきもの
特別養護老人ホーム経営支援補助金は、特別養護老人ホームが、視覚障害があるあん摩マッサージ指圧師を平成11年度以前から継続して常勤雇用している場合には、運営費補助金を加算するとしている。
しかしながら、平成12年度以降に採用したあん摩マッサージ指圧師に対しても補助金加算の対象としており、補助金が約429万円過大に交付されている。
社会福祉法人たま紫水会、福祉保健局 指摘事項(報告書本文110ページ)
(2)補助事業執行の透明性を確保すべきもの
土地区画整理組合は、事業を進めるにあたり、専門的な知識・技術が必要とされることから、組合設立時点においてコンサルタント会社と換地業務等に関する包括的な協定を締結している。
このため、コンサルタント会社の選定についてはその重要性に照らして透明性を確保していく必要がある。
しかしながら、都市整備局が、コンサルタント会社の選定方法についての指針を設けていないため、選定経緯が不明なものなど、選定手続きに不透明な点が認められた。
都市整備局 意見・要望事項(報告書本文208ページ)
出資団体
(3)労働者派遣に係る契約事務手続を適切に行うべきもの
東京都下水道サービス株式会社は、下水道局から受託している汚泥処理の運転管理等にあたり、派遣事業者と労働者の派遣契約を締結しているが、その手続において、次のように透明性を欠いた状況が認められた。
② 予定価格の設定及び入札などを行っていない。
東京都下水道サービス株式会社 指摘事項(報告書本文241ページ)
(4)医事業務等委託の契約方法を競争契約に見直すべきもの
財団法人東京都保健医療公社に移管された大久保病院、多摩北部医療センター及び荏原病院における医事業務等委託は、公社に移管される以前からの業者と長年にわたり特命随意契約を継続しており、契約の公正性、経済性の観点から不適切な状況が認められた。
また、公社は過去の監査において、別の病院でも同様の指摘を受けているにもかかわらず、特命随意契約について統一的な指導を行っていない。
財団法人東京都保健医療公社 指摘事項(報告書本文328ページ)